
著者プロフィール
田代尚機
1984年大和証券入社。その後、大和総研に出向。1994年より大和総研の代表として北京に駐在、以後中国株アナリストとして各メディアで活躍する。 2003年内藤証券入社、中国部長に就任。現在、中国経済アナリストとして中国市場を分析している。
チャート分析が好きな投資家は多いだろう。しかし、現在までに、普遍的な分析システムは開発されたであろうか。いうまでもないが、ある時期よく当たるシステムを作ることはできても、その後も普遍的に当たり続けるシステムというものは存在しない。
仕事柄、長期運用を得意とするファンドマネージャーから短期運用を得意とするディーラーまで、いろいろな“運用の名人”と話す機会がある。成功者に共通した特徴は、資金の流れを読むことを最重視していること、それぞれの状況に合わせて柔軟に戦略を変えることなどだ。いろいろな分析方法を駆使しても、それは道具の一つでしかない。
経済に話を戻そう。“歴史は繰り返す”という人がいる。しかし、繰り返すものもあれば、そうでないものもある。ちょうど、チャート分析のようなものだ。経済だって、普遍的に発展し続けることのできるシステムなど存在しないはずだ。

アメリカ型自由主義経済が究極的なシステムといえるのか。少なくとも、そういう驕った硬直的な考え方は危険だと思う。最適な経済システムがあるとすれば外部の状況に応じて柔軟に変化させることのできるシステムだけではないのか。まさに“投資の達人たち”のように・・・。
技術進歩の状況を読む。お金の流れを読む。労働力の変化を読む。金融市場、商品市場、産業構造はどう動くのか。外国の状況、世界全体の状況、その先にある将来の状況、・・・。こうした世の中の変化をしっかりと捉え、たえず政治体制、経済体制を最適なものにフィットしていかなければならない。そのためには決めたルールさえも破ることも必要かもしれない。
“神の見えざる手”は有力な手段ではあろうが、決して万能ではない。誰かが経済体制をしっかりとグランドデザインし、コントロールしていく必要がある。そうした意識を最も強く持っている国が中国であり、共産党である。
中国が今後も長期にわたり成長し続けることができるかどうかはすべて共産党にかかっている。最大のリスクは“共産党”の内部にある。だだし、それは、共産党が腐敗するリスク、民衆が自由化を求め不満を爆発させるリスクなど、そんな表層的なことではない。共産党が冷静に状況を判断できるのか、状況の変化に柔軟に対応できるか、多くの人が最も効率的だと思っている自由主義経済を盲目的に信じてしまわないか・・・。こうしたリスクである。
株式投資も同じである。一生懸命分析しても、かならず最後にリスクは残る。儲けたければリスクをとることだ。私なりにいろいろな角度から中国を分析し、その結果、中国にかけてみることにした。皆さんはどうしますか・・・。
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