田代尚機のweb連載

帰ってきたレッドセンセーション
−オリンピック後の中国を読み解く−

田代尚機

著者プロフィール

田代尚機

1984年大和証券入社。その後、大和総研に出向。1994年より大和総研の代表として北京に駐在、以後中国株アナリストとして各メディアで活躍する。 2003年内藤証券入社、中国部長に就任。現在、中国経済アナリストとして中国市場を分析している。

第23回 歴史は何を物語るのか(本土編)?(前半)

オリンピック会場の写真を撮る若者

 私は過去のチャートだけをみて株価が予想できるとは到底考えていない。因果関係を説明しないまま将来を予測するといった方法、たとえば過去のオリンピックを例に挙げ、その前後で株価がどうなったかを調べて、だから中国株もそのようになるといった類の話にはまったく興味がない。

 もちろん、そのようになる何らかの因果関係を説明してくれるのなら納得するかもしれない。しかし、そうでないことが多すぎる。一番いけないと思うのは、都合のいい例だけを取り上げて、説明するやり方である。たとえば、東京オリンピックやソウルオリンピックだけと比べるといったやり方など。最初に結論があり、後からその理由付けを探しているだけである。

 そこまで言っておきながら、今回は過去の話をしようと思う。上海総合指数の長期チャートについて、なぜそんな動きになったのかについて、紹介しようと思う

 なぜそんなに上昇したのか、なぜそんなに下落したのか。重要なのは“原因と結果”、“因果関係”である。

 中国は特殊である。資本市場が異質である上に、政府が経済をコントロールしようとしている。株価変動の要因として、その特殊性が関与しているのではないか。その因果関係をしっかりと理解すれば、ある程度将来の株価を予想することができるはずだ。

本土株主要指数の動向

 まず、チャートをご覧いただきたい。もちろん、一番の関心事はこの先どうなるかである。全体を俯瞰しただけの感想をいえば、今回の株価上昇は異常であり、その後の下落は自然な感じがする。また、6月末時点ではまだ下げきってない感じがする。

 もし、株価が“ばねの運動”のように、“どこかに平衡点があり、そこから外れれば外れるほど元に戻ろうとする力は強くなる”といった性質を持つのなら、ここで示した直感は正しいかもしれない。

 こうした動きが人間の感情から来るもので、一定時間、大きな期待・興奮を経験したのなら、その後には同じだけの期間、大きな失望・落胆が続く。こうした仮定を置くことに、私は少しだけ賛成したい気分ではある。

 ただし、問題がある。今回の上昇局面では、なぜ平衡点からこれほどまで離れてしまったのか。そもそも平衡点は時間とともに変化するのではないか。今、平衡点はどこにあるのか。その平衡点は今後上方に向かうのか、下方に向かうのか、それとも動かないのか。・・・


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